2013年08月11日
厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会が2013年度の最低賃金の引き上げ目安を全国平均で14円とすることを決めたそうです。勿論、これは安部政権がかかえる早期デフレ脱却に対する賃金所得の引き上げを目的とするものです。生活保護との逆転現象はようやくこれで解消されるようです。現在の大阪府の最低賃金は時間給800円です。小委員会は、全国を経済状況などに応じてA~Dに区分けして東京や大阪はAランクとし、予定では19円になるそうです。相当な金額の引き上げになるでしょう。最低賃金ギリギリのラインで基本給を設定している企業は時間給が1時間19円になった場合は、1日8時間労働で152円、22日労働で3,344円、従業員100人として334,400円。1年間で400万円程度の人件費の高騰になります。大企業はともかく、依然恩恵を受けていない中小零細企業も一律に引き上げると少々厳しい状況が続くことになります。収益の向上に早急に取り組まなければなりません。
2013年08月13日
平成25年9月より労災保険の特別加入者の給付基礎日額の選択の幅が広がります!労災保険は、通常労働者の業務上、通勤による災害に対して保険給付を行いますが、業務上労働者と同じように業務に従事する事業主は、労災保険に特別に加入することができます。特別加入できるのは、中小企業を経営する「中小企業事業主」、労働者を全く使用しない「一人親方」、海外に出向させる「海外派遣者」などです。
特別加入者に対する保険給付額は、「給付基礎日額」によって算出します。勿論、治療費は全額労災から治療を受けますので、給付基礎日額は関係有りません。給付基礎日額が影響するのは、休業補償などの給付です。ちなみに休業補償の場合、給付基礎日額×0.8が1日あたりの補償額で、この給付基礎日額が低ければ、休業補償の1日分も低くなります。
保険料は、加入者が選択した「給付基礎日額」×365日×労災保険料率で計算されます。よって給付基礎日額が高い金額を選択すれば、当然保険料も高くなります。保険料率はその業種によって異なります。この9月からは、この給付基礎日額がこれまで3,500円から20,000円だったのが追加で22,000円、24,000円、25,000円の選択肢が増えました。
2013年08月14日
厚生年金保険料率が平成25年9月分(翌10月納付分)から変更になります!
厚生年金保険料率は、平成29年9月まで毎年変更されています。今回改訂された
厚生年金保険料率は、平成26年8月分(翌月9月納付分)までの保険料を計算する際の基礎となります。
現行 一般被保険者(厚生年金基金加入者は除く)・・・16.766%
↓
改正 一般被保険者(厚生年金基金加入者は除く)・・・17.120%
保険料率の詳細は日本年金機構のホームページをご確認下さい。
厚生労働省は8月8日、所謂「ブラック企業」の取り締まりの強化を全国一斉に行うことを発表しました。これは最近「若者の使い捨て」が大きな問題となっていることを踏まえたもので、次の3点を取り締まりの具体的な対策として実施します。
- 長時間労働の抑制に向けての集中的な取り組み
- 相談への対応
- 職場のパワーハラスメントの予防、解決の推進
1.長時間労働の抑制に向けての集中的な取り組みとは、今年9月を「過重労働重点監督月間」として労働基準監督署やハローワークに寄せられた苦情などに基づき離職率が高いなど若者の使い捨てが疑われる企業を重点的に監督、指導を行うというものです。
2.相談の対応とは、9月1日に全国8ブロックで電話相談窓口を設置。その後も相談コーナー等で相談や情報を受け付けを行う。恐らく、その苦情、相談を受けて 上記1.の監督、指導を行うものと推測されます。
3.職場のパワーハラスメントの予防、解決の推進とは、パワーハラスメントによる若者の使い捨てを防ぐ為に事業主に指導を強化するものです。
ここ最近若年者の雇用環境を見ていると、確かにフリーターで本職につかないという事を聞きますが、其々に問題があるように思います。昔はサービス残業当たり前、おまえの能力がないんだろう!という事でもそれが当たり前に思う者が多かったかも知れませんが、最近の若年者は勿論通用しません。最近根性がある若年者も減ってきているのも事実です。ちょっと嫌なことがあれば直ぐに転職してしまう。やりたい仕事がなければフリーターみたいな。企業は、将来の希望が見渡せるような職場環境作りも今後必要になってくるのかも知れません。取り急ぎ、サービス残業が横行し、離職率が高い事業主様につきましては早々に改善をお勧めします。労働時間の短縮等のご相談もお受けしております。ちなみに、労働基準監督官には警察と同じく書類送検できる権利があり、実際にひどい場合は送検の実例も御座います。お気軽にご相談下さい。
2013年08月23日
先日、厚生労働省研究会で派遣労働の見直しが議論されました。現在は、専門26業務については、期間の上限なく、派遣させることが可能でしたが、今回の議論の内容は、同一人物の派遣期間を原則すべての業務について3年を上限とした。これまで26業務以外は、各派遣労働者の派遣期間ではなく、派遣先が派遣を受け入れてから3年を上限としていた。これを各人物ごとに3年を上限とするものに改正されるようです。但し、派遣労働者が派遣元と無期契約(期間の定めがない契約)になれば派遣期間に制限がなくなり、同じ人がずっと同じ派遣先で働くことが可能になります。今回の改正内容で決まれば一番のポイントは専門26業務のずっと長い間派遣されていた労働者ではないでしょうか?恐らく派遣元で有期雇用契約されている労働者も多い事かと思います。もし、ベテランのこの労働者が派遣元と無期契約に切り替えてもらえなければ、3年後には別の派遣先に行かなければならなくなり、派遣先にも大きな損害になるだろう。
2013年08月24日
公共職業安定所が受理した求人票から平成26年の高卒初任給が明らかになりました。技術、技能系や販売、営業系が前年を上回ったものの事務系は数千円下回ったようです。ちなみに、「製造業 169,986円、サービス業 174,932円、情報通信で168,500円」です。 (労働新聞第2933号 引用)ちなみに、この初任給という数字は、基本給だけではく、定期的に支払われる賃金(通勤手当除く)です。ですから基本給がこの金額ではないのでご留意下さい。本年も9月16日から面接できます。良い人材を採用できる事を心よりお祈りいたします。
上村経営法務事務所では、大卒、高卒の求人以外に通常のハローワーク求人の届け出の代行もさせて頂いております。大阪社労士ナンバー1を目指す上村経営法務事務所にお気軽にご相談下さい。
2013年08月25日
日本年金機構は、年金記録の整備を現在行っていますが、今年7月17日より基礎年金番号を複数所持していると思われる者に対して「年金履歴の確認のお願い」の送付を始めました。通常、基礎年金番号は1人に一つの番号であり、複数あるのは通常有り得ません。今回は、氏名、生年月日、性別の3項目が一致する基礎年金番号を複数所持していると思われる方が対象です。送付される書類には該当者の記録の可能性がある年金履歴が記載されていて、回投票に自分の記録かどうかを確認し記入の上返信することになります。回投票は社労士でも可能です。ご不明な点があればお気軽にご相談下さい。年金が増える場合があります!
2013年08月26日
厚生労働省は、7月10日、労働基準法関係解釈例規を一部改正しました。年次有給休暇の算定の基礎となる全労働日について、労働者の責に帰すべき事由によるとは言えない不就労日は、出勤率の算定で出勤日数に算定し、全労働日にも含まれると規定しました。年次有給休暇は最初の6カ月継続勤務した場合に10日の有給休暇が発生しますが、その間の出勤率によって付与されない場合があります。すなわち全労働日の8割以上出勤してはじめて年次有給休暇が付与されます。この度の改正は、6月6日の年次有給休暇請求権存在確認等請求事件の最高裁判決を受け明確化されたものです。
これは、ある労働者が解雇され、解雇無効の訴えを裁判所に起こし、結果裁判所が解雇無効の判決をくだした場合に、解雇日から復職日までの間、労働者は就労していない訳で、これを今回の改正で、全労働日にも入れ、且つ労働したとみなすということになった訳です。
2013年08月29日
政府は育児休業の取得しやすい環境づくりで1社最大60万円の助成金の支給を検討し、来年度の予算に盛り込む方針を決めたようです。厚労省の調査によると2012年度の育児休業取得率は、女性が83.6%、男性が1.89%と低く、この度、育児休業取得の規定の整備や職場復帰プランの作成を新たに行い、実際に育児休業取得者や職場復帰者が出た場合に1人30万円、1社あたり最大で2人、合計60万円の助成金を受けることができます。これを指南する指南役として全国に200人設置する予定で勿論社会保険労務士もその候補に挙げられています。先日日本の人口が減少しているという記事が有りましたが、今回のような助成金を利用し育児休業の取得率を向上させ、育児休業中の職場復帰プランの作成と支援を行い女性が育児休業後も社会復帰しやすいようにすることが企業には求められているようです。
これまで経験を積んだ職員が育児休業後に職場復帰できず退職されるケースが結構多いと思います。これは企業にとっても大きな損失になります。ただ、今回の職場復帰プランの実施と復帰の支援を行う事は大変重要なことであり、それで助成金が受給できる事は企業にとってはプラスにはなりますが、実際育児休業中の職員の補充をどうするかという大きな問題もあるのが事実だと思います。職場復帰してくるまでの補充要員をどうするか。派遣で補うという事が考えられますが、派遣料金も高額になる事も考えられます。このあたりの企業への助成も合わせて必要ではないかと考えます。
この助成金で詳細が出ましたら掲載させて頂きます。勿論弊社も育児休業中の職場復帰プランの作成などお手伝いをさせて頂きます。お気軽にご相談下さい。